花月の「めくり」

吉本興業がかつて経営していた演芸場・・・旧なんば花月、旧うめだ花月、旧京都花月・・・で昭和末期から平成初期にかけての閉館時まで使用されていためくりをネット上で復活させ、古き良き時代の旧花月劇場を語るブログです。
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    笑福亭松之助
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      笑福亭松之助(しょうふくてい まつのすけ)

      1925年生まれで、現在上方落語界では最年長。1948年五代目笑福亭松鶴に入門(六代目の弟弟子)。一時期、宝塚新芸座や吉本新喜劇、松竹爆笑劇で喜劇役者として活動するが、1967年吉本興業への復帰とともに落語にも再び力を入れ始め、古典はもちろん新作ネタも手がける。喜劇作家、落語作家としても才能を発揮し、俳優やコメンテーターとしてテレビにも多く出演。

      上方落語界最年長の落語家であった。2019年2月22日老衰のため死去(享年93)。

      (→ wikipedia笑福亭松之助

       

       

       

       

       

       

      ご本人の弁を借りれば「おなじみ、さんまの師匠でございます」。落語家、喜劇役者、俳優、作家としてのマルチな活躍ぶりは古くから知られ、テレビではドラマや吉本系のコメディーなどによく出ていました。私が最も印象深いのは、約30年前の『ABCナイトINナイト火曜日』の「おっさんVSギャル」と「松ちゃんのセンチメートルジャーニー」ですね(古い話ですんません…)

      もともと古典落語に対する思いの強い人で、ネタ数もそこそこあるようなんですが、花月で演じるネタはたいてい天才バカボン
      舞台に登場するや浮かぬ顔つきで「何人かが義理か厄介みたいにパラパラと拍手するだけで、あとはみんな知らーん顔」などのぼやきトークから始まり、テレビの話題へ、そして「中でも天才バカボンは面白いですな〜」と話が変わり、バカボンの喋り方を使えば夫婦ゲンカは起こらないとか、うだうだ喋ってから「もう少しお喋りせんならんと思うんですが、これでいいのだー」で締めるという、この人の鉄板ネタでした。

      このバカボンネタは、昭和40年代前半に自作したというテレビ・アラカルトのネタの一部を抜き出したものです。もともとはテレビ番組にかかわる中小ネタをいくつもつなぎ合わせて1本の噺としたもので、いろいろな番組やCMが取り上げられこき下ろされて?いました。このテレビ・アラカルトの音源としては『上方落語大全 朝日放送1080分落語会実況録音盤』 (テイチクレコード,1972 )がありますが、この当時はまだバカボンネタはなく、タイガーマスクや仮面ライダーなどが俎上に乗せられています。

      (動画:https://youtu.be/JVD-pT5l54o

      出囃子は「新曲浦島」ですが、花月ではデキシーランドっぽいジャズ調の曲で登場していました。このほか、YMOの「ライディーン」を出囃子に登場し、笑いの少ない「三十石」を演じて「ライディーン」で降りた、という伝説もあるようです。

      自分の弟子には基本的に「笑福亭」ではなく、本名から採った「明石家」という亭号を与えました。本当に落語を志すことが確認できるまでは笑福亭は与えないという、ここにも古典落語への強い思いが現れているように思えます。
      その一方で、弟子の実家の家業に関連した名を付けるという奇抜さもあり、明石家小禄、明石家さんまをはじめ明石家パーマ、明石家サドル、明石家パンツなどが実在したそうです(明石家小禄は五所の家小禄となったのち廃業)。

      趣味の水泳ではマスターズで優勝するなど、90歳を過ぎた今なおバリバリ現役の「芸界の鉄人」であります。

       

      「落語 笑福亭松之助」というめくりが出ているのがおわかりでしょうか。
      ちょうど「天才バカボン」を口演しておられるところです。バカボンネタでもちゃんと見台と膝隠しを使っているのが立派というかさすがですね。「これで、いいのだぁー」

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

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