花月の「めくり」

吉本興業がかつて経営していた演芸場・・・旧なんば花月、旧うめだ花月、旧京都花月・・・で昭和末期から平成初期にかけての閉館時まで使用されていためくりをネット上で復活させ、古き良き時代の旧花月劇場を語るブログです。
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    堀ジョージ
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      堀ジョージ(ほり じょーじ)

      大阪の和妻(日本古来の手品)の第一人者である三代目帰天斎正一に入門、帰天斎正旭を名乗る。1961年堀奇術研究所を開業、舞台活動の傍らオリジナルの奇術ネタ・道具の製造販売を行う。1963年吉本興業に所属、花月劇場での奇術出番やポケットミュージカルスで活躍。1976年堀手品教室及び関西奇術道場を開講し、後進の育成にも携わるようになる。うめだ花月では芸能生活15周年、20周年リサイタルを行った。
      うめだ花月閉館とともに表舞台からは引退したものと思われる。2010年12月、76歳で死去。

       

       

       




      旧うめだ花月劇場とほとんど歩みを同じくした関西奇術界の大御所的存在。吉本マジシャンズ最古参のひとりでした。同じく花月劇場で活躍したマジック中島、横木ジョージ・レミなどはこの人の門下生です。

      最初に入門した帰天斎一門は「浮かれの蝶(胡蝶の舞)」など和妻の名家で、今も六代目正一師などが継承しています。堀師はいったん正旭の名をもらいながら和妻は継承せず西洋マジックに転向、堀ジョージとして花月の舞台を踏むようになります。
      この人の本業は奇術師よりも手品ネタの研究開発者という方が実態に近く、実に多彩なマジック用品を作り出してきました。その拠点となっていたのが堀奇術研究所であり、自らが舞台で使用するネタや道具も自作の商品。舞台がすなわち商品の見本市でもあったわけですね。なお、堀師亡き後の堀奇術研究所は、堀師の門下生の皆さんが引き継いで堀奇術研究会として再スタートし、手品道具の販売とマジックの講習、ボランティア公演などの活動を続けておられましたが、現在はホームページも閉鎖され、活動されているのかどうかが不明な状態です。

      一時期、かなり年齢差のある若奥様を後見に、ジョージ・たま美として出演していた時期がありましたが、あまり長い期間ではなかったようです。

      花月の舞台では、まずオートバイがエンジンを吹かすブワン、ブワンという音とともに幕が上がり、キィィィーッというブレーキの音でBGMが始まります。あとは音楽にあわせて淡々とマジックを進めていきます。BGMは愛のコリーダとかやや古めのジャズやソウルのような洋楽をつなげたもので、後半は必ず聖者の行進のフルコーラスで締める、というパターンでした。この聖者の行進には3つぐらいのバージョンがあり、どれも演技の最後を飾るにふさわしい華やかな曲調で終わるものでした。

      とにかく長年のキャリアを誇るベテランですから、時代により演技内容はどんどん変わっていったのでしょうが、私が花月通いをしていた昭和末期〜平成初期には大ネタとかイリュージョンの類はなく、いたってシンプルなステージマジックをしていました。
      前半のネタはロープやシルクハンカチを使ったり、細かくちぎった新聞紙が元に戻るというようなスライハンドマジックから始まって、次第にシックスリングス(金属製の輪がつながったり離れたりするリングマジック)のような中ネタに移り、堀マジックの最高峰ともいうべき中華セイロが登場します。

      中華セイロとは、直径30センチ・高さ40センチぐらいの円筒を2本入れ子にして、カラであるはずの円筒の中から果物やフラワーを出したり、最後にはなんと水のいっぱい入った壷が出現するというものです。安田悠二師の演技を見ますと、堀師とほとんど同じ手順を踏襲されています。この後、壷に円筒と布をかぶせて気合いを入れると壷が消滅します。私はこのネタを何度も見ましたが、壷が出現・消滅するところは未だに仕掛けがまったくわかりません。そして最後はらんまん(鍋の蓋のようなものを開けるとフラワーがびよよ〜んと飛び出るやつ)で大団円、という流れでした。

      旧花月劇場の末期は、元漫才コンピ新谷のぼる・泉かおりのかおりさんが堀めぐみという名で後見を務めていました。のぼる・かおりは手品をミックスさせた漫才で売っていたので、彼女は後見にうってつけ。ジョージ師の奇術の途中でひとりで舞台に立ち、ベタベタな漫才口調のしゃべりをしながらネタばらし手品やインチキネタを数点やって笑いを取るというコーナーもありました。

      一陽斎蝶一師のように頭が燃え上がったり、松旭斎天正師のように身長が異常に高かったりという際立ったエピソードがあるわけでなく、吉本マジシャンズの中ではあまり目立たない存在の堀師でしたが、技術面ではピカイチで安心して見ていることが出来ました。Mr.マリックなどのような「超魔術」とはまた趣が異なる、よい意味でのアナクロな「奇術」を堪能させ、のこしてくれた人ではなかったかと思います。

      (上)旧うめだ花月での華やか?なステージです。ロープを用いたマジック。

         めくりの「奇術」という文字は堀師の場合、字数の関係で縦書きでした。

      (下)上手側に立っているのが堀めぐみさん。ショートヘアの小柄なかわいいおばさんでした。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      | よんかく | 奇術 | 16:19 | comments(0) | - |
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