ザ・ローラーズ
内田武・隆子夫妻によるアクロバット・ユニット。芸歴不明だが、かつて内田ファミリーというアクロバットチームのメンバーだったらしい。旧花月劇場では、客から投げられたリンゴをフォークで突き刺す芸と、数種類のバランス芸で構成されるステージを一貫して続けていた。現在はすでに引退。
旧花月劇場ファンには忘れられない色物芸人さんですね。とにかくいつ見ても芸の内容は決まっていて、
1 リンゴ芸
2 バランス芸前半
3 バランス芸後半
これらを、音楽に合わせて流れるように進めるスタイルでした。
1のリンゴ芸は、観客にリンゴを渡して舞台へ投げてもらい、それを武さんが口にくわえたフォークで突き刺すというもの。これを数回繰り返すのですが、最後に投げられたリンゴが武さんの頭に当たってひっくり返るというオチで次のバランス芸へと移ります。バック音楽は「マンボNo.5」。
2のバランス芸前半は、高さ1メートルくらいの台の上に2人向かい合わせで立ち、倒立やエビ反りなど組体操方式のパフォーマンスを繰り広げます。ちょっと艶かしい感じのトランペット曲がバックで使われていますが、曲名不明。
3のバランス芸後半がいよいよザ・ローラーズの真骨頂です。2で使った台の天板の四隅にコップを置き、その上に板を置き、さらにその板の四隅にコップを置き、その上に板を置き…という具合に、これを3段重ねとします。
そしてその上に横長の板を置き、同じく四隅にコップを置いて…と、同様に3段重ねとします。
次に、その二つの3段重ねの台の間に直径約20センチくらいの円筒を挟むように置きます。当然、上の3段重ねの台は円筒が左右に転がりますから非常に不安定となりますが、その上に武さんが乗り、バランスをとって直立します。
直立でポーズをとった後、下にいる隆子さんからフラフープのような輪を2本受け取り、片方ずつ足の下を通し、前傾姿勢となって頭にも通します。ここでまたポーズ。
さらに直径50センチくらいの輪を2本受け取り、これを両手首に通してぐるぐる回転させます。これがフィナーレで、音楽(エル・クンバンチェロ)が一層高らかに鳴り、客席の拍手も最高潮となります。
コップを置く時の動作が非常にゆっくりで、コップ置きの時間に3〜4分程度費やしていたような気がします。この時のバック音楽は「Taboo」。
武さんがグラグラする台の上に乗る時から、音楽はドラムロールに切り替わります。武さんが何度も頬をふくらましたりすぼめたりして呼吸を整えていました。
乗った後は、左右に大きくふらついて観客の肝を冷やします。このふらつきがわざとなのか武さんのお年のせいなのかはわかりませんが(笑)、何度見てもハラハラしましたね。
この間、音楽はずっとドラムロールが流れているのですが、時間が長いので途中の継ぎ目で一瞬途切れていました(笑)
私は一度だけ、ザ・ローラーズをNGKで見ました。正式出番だったのかどうかはわかりませんが、リンゴ芸を省略してバランス芸前半から始まり、フィナーレでは拍手喝采。旧花月劇場でずっと頑張って来たお二人の顔が、NGKでは一層輝いて見えたものです。
めくりは字数の関係で上図のように変な所で改行となっていました。赤文字は「アクロバット」でした。
うめだ花月でのローラーズ演技中の写真です。
(上)コップを積み重ねているところですね。家内制手工業という感じがとてもとてもいいですね。
右側は隆子さん。ピンクのレオタード姿で頭にはターバンを巻いています。
(下)華やかなフィナーレ。